FXは、世界の通貨を扱う取引。
よって、各通貨ごとの特徴を軽く知っておけば何かと便利です。
以下に、各主要通貨の特徴を簡単にまとめてありますので、是非参考にしてみてください。
アメリカは政治や経済面で世界のリーダー的な存在で、
米ドルは世界各国で貿易取引の決済通貨や外貨準備通貨として使われており、
外国為替市場で最も多く取引されている世界の基軸通貨です。
その為、アメリカの経済動向が外国為替市場に与える影響は大変大きく、
アメリカの経済指標や要人の発言が大きく相場を動かします。
特に雇用統計や新規失業保険等の経済指標、FRB議長の発言は最も注目されています。
FXにおいても米ドルは個人投資家、特に初心者に大変人気のある通貨です。
情報量が最も多く、情報が得やすいのが大きな理由です。
しかし一方では小刻みに迷った動きをする事が多く、トレンドがつかみにくい側面もあります。
外国為替市場での米ドルの取引量は他の通貨と比べて桁違いに多いのが原因だと言われています。
トレンドを重視して取引するような中期スタイルの方にはやりにくい通貨と言えます。
しかし他の通貨と比べて値動きが穏やかな点では初心者には向いている通貨と言えます。
ユーロは2002年に導入された欧州の統一通貨で、
現在はヨーロッパの16カ国がユーロを法定通貨として導入しています。
ユーロ圏の人口は約3億8千万人、GDPは世界の15%強を占めており、
日本の約2倍の規模があり、現在では米ドルに次ぐ第2の基軸通貨と呼ばれています。
最近では貿易取引の決済通貨や外貨準備通貨を米ドルからユーロに移す動きもあり、
今後さらにユーロの存在感が増していくと見られています。
基本的には米ドルと連動して動く事はなく、米ドルと逆相関関係にあります。
米ドルが上がればユーロが下がり、米ドルが下がるとユーロが上がる傾向があります。
これは米国の雇用不安や財政不安、中東不安等の材料が出ると
ドルを売ってユーロを買う動きが見られるからです。
また逆に米国にとってプラスの材料がでるとユーロ売り、
ドル買いの流れになりドル高・ユーロ安のになる傾向があります。
FXにおいても大変人気のある通貨ですが、米ドルに比べると値動きが激しいので、
初心者は取引に慣れてからが良いでしょう。
流動性が高く、トレンドがわかりやすいのが特徴でデイトレ等の
短期トレードや中期投資に向いている通貨と言えます。
イギリスはEU(ヨーロッパ連合)の加盟国ですがユーロを導入せずポンドを維持しています。
第二次世界大戦以前は基軸通貨としての役割を担っていましたが、
最近はユーロの登場により存在感が薄くなりつつあります。
ポンドは基本的にユーロに連動する動きが見られ、米ドルと逆の動きをする傾向があります。
トレンドがつかみやすく、米ドルのように方向感のない動きをする事が少ないのが特徴です。
しかし値動きは大変荒く、1日に5円以上動く事も珍しくありません。ポンドは流通量が少なく、
多少の売買で相場が激しく動きます。
ポンドはFXにおいても大変メジャーな通貨ですが、
上級者向けの通貨で初心者には大変リスクの高い通貨です。
しかし一方ではトレンドがはっきりしていて、一度トレンドに乗ると大きな利益が期待できます。
金利が高くスワップ収益も狙えますが、値動きが激しいので長期投資には向いていません。
デイトレ等の短期投資や、トレンド重視の中期投資に向いていると言えます。
オーストラリアは先進国の中では比較的金利の高い通貨です。
高金利の為、銀行等の金融機関等でも外貨預金のキャンペーンを行っていたりと
目にした事がある方も多いと思います。
また農作物や鉱物資源に恵まれている事から資源国通貨とも呼ばれています。
オーストラリアドルは資源国なので金等の商品相場に大きく影響を受けます。
商品相場の上昇時にはオーストラリアドルも上昇する傾向があります。
逆に米ドルとは反対の動きをする傾向があり、ユーロに近い動きをするのが特徴的です。
FXにおいてはスワップ金利目的の中長期の投資に大変人気がある通貨です。
値動きが比較的穏やかなので初心者にも向いています。
レバレッジ3倍程度でも年利10%以上稼げるのでスワップ目的の初心者にはぴったりです。
逆に1日の値動きが少ない為、デイトレには向いていないと言えます。
ニュージーランドもオーストラリアと同様に資源国通貨として知られる通貨です。
先進国の中では経済規模は小さく、農作物や酪農が主な産業です。
ニュージーランドドルはオーストラリアドルと非常によく似た動きをします。
これは同じ資源国である点と地理的に近い事が原因です。
しかしオーストラリアドルと比べると値動が荒いのが特徴です。
経済規模が小さいので通貨の発行量も少なく、
海外からの多額の資金が入ってくると相場が大きく動きます。
リーマンショック以前は政策金利が7%以上あり、先進国の中では1番スワップポイントの高い通貨でした。
しかし現在ではオーストラリアドルの金利を下回っています。
FXの初心者がスワップ狙いで取引するのであればオーストラリアドルの方がリスクも小さく
スワップポイントが高いのでお勧めです。
スイスはユーロ圏にありながら自国通貨のスイスフランを維持している国です。
経済規模はヨーロッパの中では比較的小さいですが
世界規模の大企業も多く存在し、物価や賃金が高いのが特徴です。
スイスは永世中立国として有名で政治的に中立の立場を保つ事を宣言しています。
その為、有事の際の投資マネー避難先としてスイスフランに資金が流れる傾向があります。
2001年の米国同時多発テロ以降は世界的なテロリスクの懸念から
スイスフランに資金が流れスイスフラン高が続いています。
スイスフランは安全性が高く長期投資に適している半面、金利が低い為
スワップ目的の保有には向いていません。初心者には取引しやすい面もありますが
情報が少なくあまりお勧めはできません。
ただスワップ金利が低いので下降トレンド時の売り狙いには向いています。
カナダは資源国として知られ石油や天然ガス、パルプ等の天然資源に恵まれた国です。
経済的に安定した経常収支や貿易黒字、低い失業率を維持しています。
カナダは地理的にアメリカと近い為、経済的な結びつきが非常に強い反面
値動きはアメリカドルよりもユーロに近い傾向があります。
資源国通貨として、商品相場に強い影響を受けるのが主な要因のようです。
経済的に安定した通貨で長期保有には適していますが
金利が低いのでスワップ目的での保有には向いていません。
先進国通貨の中では非常に情報が少ないので初心者にはあまり向いていません。
ただスイスフラン同様、金利が低いので売りからは入りやすいでしょう。
南アフリカは鉱物資源に大変恵まれた国で、金の産出量では世界第一位、ダイヤモンドやプラチナ
レアメタル等の鉱物資源においても世界有数の産出地です。
南アフリカは金の産出量において全世界の半分近くを占めている為
金の価格に大変強い影響を受けます。金の価格が上がればランドも上昇し
金が下がればランドも下がる相関関係にあります。
スワップ金利は大変高い半面、流動性が低く価格の変動が大変激しいのが特徴です。
その為、スワップ金利目的の長期保有はとてもリスクが高いです。
値動きが激しいのでデイトレーダーには大変人気のある通貨ですが、初心者には難易度の高い通貨です。